2011 年 6 巻 2 号 p. 273-284
地盤や岩盤のような鉱物と空隙からなる二相構成材料の力学的性質は内部構造に強く依存している。そこで本研究では,マイクロフォーカスX線CTを使用してガラスビーズ充填試料の断層撮影をおこない,二相構成材料の微小空隙構造の評価手法について基礎的な検討をおこなった。二相構成材料の空隙構造を定量的に扱うためには,空間的な相分離が必要となる。そこで,撮影条件を変えることによりボクセルサイズやCT値の頻度ヒストグラムの分散を変化させ,それの二相構造画像の相分離に与える影響について検討した。その結果,頻度ヒストグラムの分散が二相構造画像の二相分離に影響を与えること,および粒径/ボクセルサイズ比が27から29の範囲で二相構成材料の二相分離が可能かどうかの境界があることがわかった。さらに,その結果を用いてガラスビーズ充填試料の空隙率を評価したところ,粒子の充填配列に依存して33~37%の値が得られた。