2012 年 7 巻 3 号 p. 467-478
老朽化したフィルダムやため池の堤体改修では,調査設計段階において既設堤体の現況安定性を把握するために標準貫入試験が実施されるものの,試験数は新設の場合に比較すると限定的で不十分な場合が多い。標準貫入試験の実施数不足を補うための調査法として,標準貫入試験よりも小型・軽量・自動化により省力化され,かつエネルギー換算的に標準貫入試験結果と良い相関のある試験結果が得られる小型動的自動貫入試験の適用が考えられる。本稿は改修工事中のフィルダムやため池の既設堤体で小型動的自動貫入試験を標準貫入試験と同一地点で実施し,試験結果の比較から小型動的自動貫入試験が標準貫入試験の補完調査に適用できることを示した。