抄録
極低レベル放射性廃棄物の一つの可能性のある処分方式として,キャピラリーバリア機能をもつ底部集排水層を導入した盛土形式の処分施設について検討する。キャピラリーバリアの集排水機能は,構成する均等係数の小さな砂層と礫層のうち,特に砂層の不飽和水分特性に強く依存する。このため,盛土底部の集排水層に使用する場合,想定される盛土や廃棄物などの上載荷重による影響の有無を定量的に明らかにしておく必要がある。本論文では,加圧膜法を用いた垂直応力載荷型保水性試験により,砂材を実施工を想定した所定の乾燥密度(締固め度Dc=80~90 %)に締固めた後,実規模レベルの垂直応力を載荷させて水分特性曲線(空気侵入値等を含む)の変化を調べた。その結果,砂材の水分特性曲線などは,乾燥密度が締固め度Dcが80~90 %の範囲であれば,想定した垂直応力載荷の有無およびその大きさによって顕著な影響を受けることはなかった。これにより,キャピラリーバリアを用いた底部集排水層の性能は,盛土完了後の垂直応力状態でも変化しないことを明らかにし,実施工へ適用できることを示した。