抄録
近年,増加傾向にある集中豪雨や急激な融雪による大規模土砂災害に対して,中山間地域の防災対策が遅れている。この防災対策には,この地域に及ぶ危険斜面のハザードマップ作成が重要となる。ここでは,2008.7に石川県金沢市浅野川で発生した3時間250mm以上の豪雨災害を取上げ,現場調査に基づく地域の斜面崩壊ハザードマップ作成法を提案する。同時に,速やかなハザードマップ作成の必要性を示すため,ハザードマップのない現実下で発生した今回の危うい被災実態とハザードマップ作成から浮かび上がった防災課題の実状を述べ,今後の防災対策について提案する。