2025 年 3 巻 1 号 p. 41-45
本報告は令和6年(2024年)能登半島地震 災害調査団のうち,「津波・地盤の相互作用」調査部門の調査内容を取りまとめたものである。今回の地震では,能登半島東部および一部の西部地域において津波による甚大な被害が見られたが,本調査グループは地盤工学会の調査団として「地盤の視点」を持って津波の被害調査を行い,防潮堤,防波堤,海岸護岸,閘門,海岸に隣接する道路盛土・法面工等に絞った調査を行った。一方,津波の遡上高や地形と津波高さの関係等,海岸工学分野の調査を最優先としていない。当調査グループの調査は主に珠洲市(一部,輪島)を中心に実施した。以下に調査履歴,図1に主な調査箇所を示す。2024 年1 月8 日:赤崎漁港(志賀町)※先行調査、2024 年2 月14 日:鵜飼漁港,鵜飼川,飯田港(珠洲市)、2024 年5 月14 日:鵜飼漁港,鵜飼川,飯田港,粟津海岸(珠洲市)、2024 年5 月15 日:輪島港,輪島漁港(輪島市)、2024 年10 月14 日:鵜飼川(珠洲市)※9 月21 日の豪雨の影響に関する調査