抄録
本研究は,看護大学生のストレス対策の一環として,入学時の職業志望動機とストレスとの関連を明らかにすることを目的に実施した.A看護系大学看護学科の学生137人を対象に職業志望動機,ストレス反応,ストレス対処力(Sense of Coherence/SOC)を尋ねる無記名自記式質問紙調査を行い,有効回答112を分析対象にした.「経済的な面に惹かれた」「人に勧められた」「何となく」という職業志望動機の「強い群」は,「弱い群」よりも「高ストレス群」の人数の割合が高かった.「やりがいのある職業」「看護職に興味があった」という職業志望動機の「強い群」は,「弱い群」よりもSOC得点(中央値)が高かった.看護大学生の職業志望動機を把握することは,心身の健康保持のためのストレス対策に有用である可能性が示唆された.