心身健康科学
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原著論文
小児慢性疾患を抱える若年者の小児期体験が心身に及ぼす影響
山野内 靖子庄子 和夫中山 和久丸井 英二
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2022 年 18 巻 2 号 p. 43-58

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抄録

小児慢性疾患を抱える若年者の小児期体験が心身に及ぼす影響を明らかにすることを目的として,小児慢性疾患を抱える若年者24名と健常大学生260名を対象に,小児期体験の自由記述と体験年齢,S-H式レジリエンス検査,13項目5件法版SOCスケール,健康関連QOL SF-8を調査した.小児期体験は活動体験と心身の痛み体験に分類され,体験年齢は11歳前後であり診断年齢と有意に相関した.レジリエンスは健常大学生より小児慢性疾患を抱える若年者が有意に低く,SOCに有意な差は認めなかった.

重回帰分析では,小児期の活動体験と慢性疾患は体の痛みを弱め,体の痛みの弱さは精神的健康に正の影響を与え,小児期の心身の痛み体験と慢性疾患はレジリエンスを低めたが,レジリエンスは精神的健康に対する正の影響が示された.小児慢性疾患を抱える若年者の体の痛みには,小児期の活動体験が関連し,人に頼らず何とかやっていけると思える心の健康が影響を与えていた.

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© 2022 日本心身健康科学会
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