日本フットケア・足病医学会誌
Online ISSN : 2435-4783
Print ISSN : 2435-4775
特集:血管診療技師(CVT)とフットケア
血管診療技師としての理学療法の役割
―離床前 深部静脈血栓症スクリーニングの取り組み―
鈴木 昭広林 久恵
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2026 年 7 巻 1 号 p. 22-31

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抄録

 高齢化社会の進行に伴いリハビリテーション (リハ) の臨床でも, 下肢静脈瘤による慢性静脈不全 (CVI) や深部静脈血栓症 (DVT) 等を併存する症例に対応する機会が増加している. 特にDVTは肺血栓塞栓症 (PTE) のリスクを伴うことに加え, 血栓後症候群 (PTS) に移行すると浮腫・疼痛・潰瘍形成などの症状により生活の質を低下させる. 理学療法士 (PT) はこれまで四肢の浮腫に対し圧迫下での運動療法や浮腫管理を目的とした生活指導に関与してきたが, 近年は血管診療技師 (CVT) の資格を併せ持つPT (CVT-PT) による静脈評価が始まっている. 本稿ではCVT-PTが超音波診断装置を活用し, DVTスクリーニングにより安全性を担保した離床とリハ支援に寄与した症例を提示し, その意義について述べる. 理学療法領域における超音波診断装置の活用は骨格筋評価を中心に拡大しているものの, 静脈疾患への応用は限定的であり, 静脈評価とその転帰に関するエビデンスの蓄積が今後の課題となる. CVT-PTは理学療法の専門性と血管超音波技術等を統合し, 静脈疾患患者に安全で質の高いリハを提供する新たな役割を担う可能性がある.

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