日本ヘルスケア歯科学会誌
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総説
根面う蝕を知る
う蝕管理のターゲットは歯冠部から歯根部へ
福島 正義
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 19 巻 1 号 p. 6-16

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抄録
成人期に歯周疾患の進行,歯周治療あるいは不適切なブラッシングによる歯肉退縮により露出した歯根面あるいは修復物辺縁に近接した歯根面にしばしば根面う蝕が発生する.若年者のう蝕罹患率が低下し,高齢者の歯の喪失が減っているため,「現代型う蝕の歯冠う蝕が減って,古代型う蝕の根面う蝕が増える」という回帰現象が起こる.このため,う蝕管理のターゲットは,歯冠から歯根へと移る.根面う蝕の治療は非外科的な予防・慢性化療法の戦略を優先的に考えるべきである.そこで,根面う蝕の一次予防,二次予防,フッ化ジアンミン銀(SDF)を利用した根面う蝕マネジメントについて述べた.
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© 2018 一般社団法人日本ヘルスケア歯科学会

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