日本ヘルスケア歯科学会誌
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総説
地域水道水フロリデーション
今日までに得られたもっとも信頼できる科学的根拠に基づくう蝕予防のための公衆衛生手段
田浦 勝彦
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 22 巻 1 号 p. 27-39

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抄録

地域水道水フロリデーションは飲料水中に含まれるフッ化物をう蝕予防に至適な濃度となるように管理調整することである.多くのシステマティックレビューと個別の研究から,推奨濃度のフッ化物レベルでのフロリデーション水の摂取は安全であることが示されている.フロリデーションは科学的根拠に基づいた安全,効果,費用節減,社会的に公正な公衆衛生手段であり,年齢,教育,所得水準,歯科医療への定期的な通院に係わらず,すべての地域住民を対象にする.さらに,地域に存在する健康格差を解消する強力な公共政策として導入の意義は大きい.すべての保健当局,医療専門家,および関係する市民が,う蝕予防に必要なフッ化物含有量に満たないすべての地域で地域水道水フロリデーションを達成する仕事に参加することが期待される.

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© 2021 一般社団法人日本ヘルスケア歯科学会

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