日本ヘルスケア歯科学会誌
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原著
試作全自動歯ブラシによるデンタルバイオフィルム除去効果
外園 真規井田 貴子枝並 直樹永田 量子竹中 彰治栄田 源横山 裕也石井 裕之野杁 由一郎
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2022 年 23 巻 1 号 p. 47-

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抄録
う蝕と歯周病は,バイオフィルム感染症の最たるものと位置づけられている.その予防には主因であるデンタルバイオフィルムを効果的に除去する必要がある.デンタルバイオフィルムの除去は,ブラッシングなどによる機械的除去が最も効果的であると考えられてきた.電動歯ブラシは手磨きよりもデンタルバイオフィルムの除去効率が高いとする報告が存在する.しかし,電動歯ブラシを用いる場合であっても,手用歯ブラシと同様に歯列に沿って手を動かす必要があり,その動作が難しいケースも存在する.そこで,共同研究者である早稲田大学関連のベンチャー企業である株式会社Genicsで開発された試作全自動歯ブラシg.eNのデンタルバイオフィルム除去効果を,従来歯面を4分割で評価するO’LearyのPlaque Control Record(PCR)に改良を加え,歯面を6分割で評価して簡易的に半定量評価し,全自動歯ブラシの有用性について検討した.その結果,全顎および全顎を6ブロックに分けたそれぞれの部位で,ブラッシング前と比較し,ブラッシング後のPCRスコアは有意に減少した.本研究で使用した試作全自動歯ブラシg.eNを用いた220秒のブラッシングを行った後の平均PCRスコアは22.4 %であった.本研究の平均22.4 %というスコアは,口腔衛生状態としては良好な値であると考えられ,試作全自動歯ブラシg.eNが有効であることが示唆された.
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© 2022 一般社団法人日本ヘルスケア歯科学会

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