抄録
口腔内に関心の低い慢性歯周炎患者の症例を挙げる.中断の末,再受診したこの患者に口腔内の現状を理解してもらうため担当歯科衛生士が採得した資料(問診,口腔内写真,エックス線検査,歯周組織検査)を用いて説明し,患者の意識改革に努めた.その結果,来院継続と歯周基本治療,SPTまで行うことができた.一時はセルフケアにも協力的であった患者が,事故による下半身麻痺をきっかけに次第にモチベーションが低下し,不安定な状態が続いた.重度の歯周病ケースといった特記すべき症例ではないが,継続的な来院と定期的な資料採得によって現在も患者の歯周組織をコントロールしている.本症例を通して,変化していく患者背景に配慮しながら歯周病を管理していくことの重要性と,今後この患者の口腔健康を維持していくために当院がサポートしていくべき課題について考える.