2017 年 13 巻 2 号 p. 62-69
目的:高齢者の死生観と終活の現状を都市と地方の比較から明らかにすることにより、高齢者の終活に必要な支援への示唆を得る。
方法:都市Aと地方Bの老人クラブに所属している65歳以上の者を対象に無記名自記式質問紙調査を行った。内容は、基本特性、死生観、終活の現状である。地域ごとに各項目を単純集計した後、χ2検定を実施した。
結果・考察: 都市A 219名(有効回収率54.8%)、地方B 90名(有効回収率56.3%)を分析した。死生観では、両地域において有意差はなく、ともに死に積極的な態度が窺える一方、消極的な態度の高齢者も少数存在することが明らかになった。終活への関心は、両地域とも80%以上と高かったが、都市Aは90.9%とより高く有意差がみられた。終活行動においても都市Aが地方Bよりも積極的であり、終活行動の12項目の実施状況は、両地域に相違があった。このことより、地域特性に応じた支援の必要性が示唆された。さらに、両地域において相談の場所の認知度が低く、適切な情報が得られていないことも想定される。今後、高齢者の終活に必要な支援を充実させるために、各々の地域特性や終活行動の特徴に合わせた支援体制を構築していく必要がある。