2017 年 13 巻 2 号 p. 52-61
外来通院治療中の再発乳がん患者が療養生活で抱く思いを明らかにし、再発乳がん患者が自分らしく療養生活を送るための外来看護援助を考察することを目的に、13名の患者から半構造化面接によりデータを収集し、質的帰納的に分析した。分析の結果、外来通院治療中の再発乳がん患者が療養生活で抱く思いは【友人、姉妹、夫の関わりに感謝する】【親や子供、職場、友人に迷惑をかけたくない】【乳がんと一緒に元気な今を前向きに生きようと思う】【予測される死を冷静に受けとめる】【更なる転移や病状の悪化、治療法がなくなることを不安に思う】【抗がん剤の副作用の出現や副作用による外見の変化を恐れる】【経済面が不安だ】【再発後の生活に関する情報が少なく不安に思う】【受ける治療は自分で選ぶ】等の12の大表題に集約された。外来通院治療中の再発乳がん患者が療養生活で抱く思いには、身近な人々への感謝と負い目の相反する思いに葛藤する等の特徴があると考えられたことから、再発乳がん患者の家庭や社会での役割に対し、患者と共に生活の調整を行なうことと、変化した役割を患者自身が認められるように関わること、等の外来看護援助が示唆された。