2006 年 2 巻 1 号 p. 45-52
本研究は,臨地実習における学生の困難な体験とそれに対する指導内容を明らかにし,臨床指導者による効果的な学習支援のあり方を検討することを目的とした。都市部の中核病院1内科病棟で臨地実習を履修した看護系短期大学3年生のうち,承諾の得られた11名の学生の実習記録及び臨床指導者が参加観察で得た記述資料を分析の対象とし,内容分析の手法を参考にした質的・帰納的分析を行った。分析の結果,学生の困難の体験内容から7つの困難の本質が見出され,<出来れば避けたい自分の傾向に直面><自己存在の揺らぎ>等3つの学生自身の内面に関すること,<状況を構造化する難しさ>という看護の思考過程に関すること,<活動のタイミングをとる難しさ>等3つの看護実践に関することに大別された。臨床指導者の支援の内容からは8つの支援の本質が見出され,《受容》《安心惑の提供》等3つの学習環境の提供,〈学習能力の信頼》等2つの学生を尊重する姿勢,〈フィードバック》等2つの看護の思考活動の支援《看護実践》という看護の実践支援に大別された。指導者は,まず学生を受容し,学生の体験する困難の内容を見極めることが効果的な学習支援につながると考えられた。