2006 年 2 巻 1 号 p. 53-58
人は周囲からどのような影響を受けて職業を選択し,職業的社会化を遂げていくのであろうか。本研究では,看護系大学に入学した1年生5名を対象に,どのような体験や人々との相互作用が看護職への社会化に影響しているかについて質的にデータを収集し検討した。
看護系大学に入学する学生は,すでに看護職を志望しており,「人への関心」「社会への貢献」等,看護職に必要な価値を継承する要素をもっていた。入学時に抱いている看護職に対するイメージは「やさしさ」や「診療の補助」であり,それは過去の個人的体験や家族からの影響を受けていた。
入学後は,講義,演習,実習などのカリキュラムだけでなく,クラブ・サークル活動,アルバイトやボランティア体験を通して,教員,学生,医療職者,患者・家族,市民といった人々と幅広く関わっており,専門職としての価値や態度とともに一人の社会人としての職業への社会化が促進されていた。