2006 年 2 巻 1 号 p. 89-94
学生の性に関する情報へのニーズや,その伝達経路を明らかにし,ピア養成カリキュラム構築への示唆を得るために,専門学校生,短期大学生,大学生に対して,自記式質問紙を用いた無記名の調査を実施した。質問紙の有効回答数は149であった。
学生の95.9%が性教育を受けたことがあり,その内容は「生命の誕生」「エイズ」「身体の発育と特徴」と保健科目の学習指導要領に沿った内容であった。受けた性教育で知りたいことがわかったのは77.1%である一方,現在でも性感染症・妊娠や出産・エイズなどの情報を知りたいと73.0%の学生が回答していた。学生の性に関する情報源は,主に「友人」「パソコンサイト」であり,その情報源を選択した理由は「身近」「気軽」「聞きやすいこと」であったが,「看護師」「母親」といった専門職や身近な年長者から情報を得たいという希望もあった。これらのことから,ピア・エディケーターの世代となる学生は,精神的な負担が少なく,アクセスしやすい情報源を求める一方で,正しい情報も必要としている現状が見出された。したがって,性に関する基礎的な知識の学習とともに,情報の選択など適切な行動を習得できることを目的とした体験型学習をピア養成カリキュラムに取り入れることが有効ではないかと示唆された。