目的:三宅島における精神保健福祉活動経過及び精神障害者の家族の状況把握を通した活動の特徴と保健師活動の方向性の明示を目的とする。対象:1994年~1998年の三宅島における精神保健福祉活動,及び三宅島在住の通院医療費公費負担制度(精神保健福祉法32条)を利用している精神障害者の家族のうち研究に同意した13家族を対象とした。
方法:精神保健福祉活動の横断的分析,精神障害者の家族へのアンケート調査,及び講演会の開催結果を分析した。
結果:三宅島では,保健師による家庭訪問相談指導による精神障害者と家族のニーズ把握が端緒となり,保健所デイケア,家族教室,家族会などの充実がはかられている。家族は島外の精神専門医療機関を受診することに経済的・身体的な負担を惑じ,また,日頃から病気のことを隠したい気持ちと仲間が集える場を確保したい希望を抱いていた。
結論:保健師活動の方向性は(1)ニーズを重視した支援,(2)社会的支援の充実,(3)社会資源の有効活用,(4)教育を含む関係機関との連携の一層の推進が示唆され,離島(三宅島)の精神保健福祉活動の課題は(1)専門医療の整備,(2)住民の主体的参加,(3)協調と統合,(4)ケアの継続性の4点があがった。