目的:本研究は、日本人先輩看護師が在日中国人看護師を指導する際に抱えている困難について明らかにすることを目的とした。
方法:在日中国人看護師を指導している日本人先輩看護師11名に半構造化面接を行い、指導する際に抱えている困難について語られた内容を質的記述的に分析した。
結果:日本人先輩看護師が在日中国人看護師を指導する際に抱えている困難として、【在日中国人看護師に対する理解不足】【円滑なコミュニケーションの確立における苦労】【医療現場の職場文化への適応課題に対する対応策の模索】【日本の医療と看護に対する理解不足を補うための苦労】【看護過程の展開について指導しても習得に至らないことで感じる疲労感】【自立までの課題の多さに対するサポートシステムの不足】の6カテゴリーが抽出された。
考察:日本人先輩看護師は在日中国人看護師を指導する際に、効果的なコミュニケーションを通して、在日中国人看護師のレディネスを把握したうえで、効果的な教育プランを構築することが必要であると示唆された。指導者の困難感を軽減するために、指導者に対する支援や連携を取れる相談窓口の確立が必要である。