2024 年 21 巻 1 号 p. 59-66
目的:せん妄様症状を示す認知症高齢者に対する訪問看護師のアプローチ過程を明らかにすることである。
方法:訪問看護師を対象に、せん妄様症状を示す在宅で生活する認知症高齢者へのアプローチ過程、その際に用いた情報、情報収集の方法、症状に対する対応およびその結果等について半構造化面接を実施し、10事例のナラティブ分析を行った。
結果:訪問前からせん妄を推論し対応するパターン①(4事例)、情報や症状からせん妄とそれ以外の疾患の可能性を考え対応するパターン②(3事例)、認知機能の低下と広くとらえ対応するパターン③(3事例)の3パターンを見出した。
考察:事前に家族介護者や医療施設からせん妄様症状や発症要因についての情報がある場合は、早期にせん妄の発症要因を確認しアプローチできる可能性がある。訪問前の情報や症状からせん妄だけでなく他の疾患の可能性もある場合は、せん妄とそれ以外の疾患の可能性を視野に入れて要因を探る必要がある。訪問前の情報が乏しい場合や、認知症の行動・心理症状が疑われる場合は、認知機能の低下と広くとらえ、それに関連する要因を一つ一つ探る必要がある。