2024 年 21 巻 1 号 p. 67-78
目的:「訪問看護師が一人前から中堅になるための教育支援プログラム試案」を試行し、プログラム洗練に向けて課題を明らかにする。
方法:先行研究で明らかになった、一人前訪問看護師以降に経験すると考えられる中堅訪問看護師への成長にかかわる6カテゴリーからコンピテンシーを抽出し、4段階のルーブリック評価に基づいた到達度評価基準を作成した。この到達度評価基準を基盤に教育支援プログラム試案を作成し、一人前訪問看護師と訪問看護ステーション管理者に実施した。
結果:一人前訪問看護師は、評価基準によって到達段階の確認、および成長していく上での次なる課題の見極めができていた。また、ルーブリック評価に基づいた到達度評価基準は、一人前訪問看護師だけでなく管理者にとっても指導にあたる上での指針となっていた。
結論:プログラムの試行により、訪問看護師の背景が多岐に渡ることが再確認でき、個別にプログラムを組み立てるパターンメードの方式や日々の訪問看護実践の中で自分の課題に取り組むOJTの方式は有意義であると考えられた。今後は到達度評価基準の洗練、プログラム実施期間の検証を含めた、より実践者が利用しやすい実用的なプログラムに修正することが課題である。