集中治療室(ICU)から病棟への集中治療後症候群(PICS)予防ケア実施のための申し送りの実態、さらに、病棟でのPICS予防ケアの実施とICUからの申し送り及びPICS予防ケア実施に関する病棟の状況との関連を明らかにすることを目的に、全国220施設のICUからの申し送り経験のある病棟看護師にWeb質問紙調査を実施した。①ICUからの申し送り16項目(PICSに関する情報(以下PICS情報)、標準化されたツールの使用(以下ツール)、良好なコミュニケーション、②病棟の状況6項目、③病棟でのPICS予防ケア9項目についてχ2検定等を行った。
全対象者は92名で、PICS情報の伝達は十分と回答した者44.6%、ツールを使用している者35.9%、コミュニケーションが良好と回答した者69.6%であった。PICS理解者35名の分析では、「病棟でのPICS予防ケア」は「PICS情報」と「病棟の状況」の下位項目「病棟全体のPICSに関する理解」と有意な関連を示し、2項ロジスティック回帰分析では「PICS情報」が強い影響を与えていた(オッズ比=17.6、p=0.016)。PICS情報の伝達は約4割であったが、病棟でのPICS予防ケアの実施に強い影響を及ぼしていた。病棟でのPICS予防ケア推進には、病棟看護師のPICSに関する理解を促し、ツールを使用してPICS情報を確実に受け取る必要性が示唆された。