2009 年 5 巻 1 号 p. 115-121
本研究の目的は,我が国における関節リウマチ(RheumatoidArthritis:以下RA) と人工膝関節全置換術(TotalKnee Arthroplasty:以下TKA) を対象にした看護の実情と研究の動向を把握し,特に成人期の周手術期にある対象者に焦点を当てた看護の特徴や課題を考察することである。その目的に沿って,RAでTKAを受ける患者の現状や看護の必要性について述べた。次に医中誌でRAとTKAに加え,手術療法について過去10年間の研究の動向と看護実践を調査し,検討した。TKAの研究は徐々に増えてきており,看護実践では創部の腫脹,熱感,疼痛に関する内容が主であったO RA患者のTKAの周手術期看護として,合併症や二次障害のリスクが高いため予防への患者教育が重要であることが示唆された。また,成人期にある対象の特徴に関しては,ライフサイクルに関連した周手術期看護の特徴が明らかにはならず,今後の研究課題といえる。