抄録
‹目的›男女平等社会を担う次世代の課題として, ジェンダー·エクィティの認識形成が必要である。学校もまた「ジェンダー·バイアスを再生産する場」といわれてきたが, 学校がSBCDの視点で教育課程の編成を行うとともに, ジェンダー·エクィティの視点での教育内容の編み直しが必要だ。新教育課程実施前の全国の小学校, 中学校, 高等学校の家庭科カリキュラム開発の実態を家庭科教師の意識実態調査で明らかにすることにより, 今後の方向を探る。
‹方法›2001年11月∼12月にかけて全国3,250校を対象に「学校におけるカリキュラム開発とジェンダー教育に関する調査」2本を郵送調査法で実施した。回収サンプルは1,312校, 有効回収率は40.4%であった。集計は教務主任と家庭科主任に分けて行い, 教務主任は1,277票, 家庭科主任は1,264票の合計2,541票を分析対象とする。今回は家庭科主任(家庭科担当者)の結果を主に考察する。
‹結果›1. 2002年度へ向けての家庭科カリキュラム編成準備状況は「編成終了」が小学校2.8%, 中学校4.9%, 高校6.3%であった。高校では履修させることになった科目は「家庭総合」が32.8%で最も多く, 単位数は2単位までが80校 29.7%, 3単位以上が174校 64.7%であった。2. 家庭科カリキュラム編成で考慮したことは「学習指導要領の項目」が59.2%と過半数を占め, 「発展的な学習内容等を追加」は33.9%であった。3. カリキュラムづくりの困難点は79.3%の教師が感じており, 中学校では80.6%と最も多かった。4. 家庭科教師のジェンダー·フリー度は6割がさらなる努力必要。