抄録
研究目的と方法
本研究は、学校教育における家庭科の学習実態と学習者の家庭科に対する意識・イメージを明らかにすることを目的としている。研究方法は、小・中・高等学校家庭科を学習した大学生を対象にアンケート調査を行った。調査期間は、2007年から2009年である。回答数は、908票:男性386票(42.5%)、女性507票(55.8%)、2007年496票、2008年213票、2009年199票である。調査内容の主な項目は、1)小・中・高等学校の家庭科の学習内容、2)家庭科に対するイメージ、3)家庭科を学んだことによる意識の変化である。
結果
1)小・中・高等学校の家庭科の学習内容
小・中・高等学校の家庭科の学習歴について、「家庭生活」、「衣生活」、「食生活」、「住生活」、「消費生活」、「保育」、「覚えていない」という選択肢を設け複数回答で聞いたところ、「家庭生活」小:697票(76.9%)中:596票(65.8%)高:548票(60.5%)、「衣生活」小:836票(92.3%)中:810票(89.4%)高:656票(72.4%)、「食生活」小:863票(95.3%)中:866票(95.6%)高:782票(86.3%)、「住生活」小:589票(65.0%)中:655票(72.3%)高:538票(59.4%)、「消費生活」小:457票(50.4%)中:702票(77.5%)高:625票(69.0%)、「保育」中:499票(55.1%)高:546票(60.3%)、「覚えていない」小:35票(3.9%)中:22票(2.4%)高:89票(9.8%)であった。
家庭科を学んだことへの受け止めについて、「肯定的である」、「否定的である」、「どちらともいえない」という選択肢を設け聞いたところ、「肯定的である」817票(90.5%)、「否定的である」47票(5.1%)、「どちらともいえない」39票(4.4%)であった。「肯定的である」と回答した者(817名)にその理由を「他の教科で学べないことが学べた」、「実生活で役立つ」、「授業が面白い」、「実習がたくさんあった」、「特に理由はない」、という選択肢を設け複数回答で聞いたところ、「実生活で役立つ」600票(73.4%)が最も高く、次いで、「実習がたくさんあった」368票(45.0%)であった。「否定的である」と回答した者(47名)にその理由を「他の教科を学びたかった」、「学ぶ必要を感じなかった」、「授業がつまらなかった」、「特に理由はない」、という選択肢を設け複数回答で聞いたところ、「授業がつまらなかった」6名(12.8%)、「無回答」41名(87.2%)であった。
2)家庭科に対するイメージ
家庭科に対するイメージについて、「そう思う」、「やや思う」、「あまり思わない」、「思わない」という選択肢を設け聞いたところ、生きていくために重要な教科「そう思う」382票(42.5%)「やや思う」460票(51.5%)、生活に密着していて面白い教科「そう思う」377票(42.2%)「やや思う」427票(47.6%)、具体的でわかりやすい教科「そう思う」218票(24.5%)「やや思う」426票(47.9%)、友達と相談や話し合いが出来る教科「そう思う」185票(20.8%)「やや思う」424票(47.7%)、活動が多くて楽しい教科「そう思う」450票(49.8%)「やや思う」362票(40.4%)、実生活に役に立つ「そう思う」569票(63.1%)「やや思う」295票(32.9%)、家族と話題にしやすい教科「そう思う」146票(16.9%)「やや思う」336票(38.4%)、学校で学ぶことに意義がある教科「そう思う」229票(26.2%)「やや思う」477票(54.4%)であった。
3)家庭科を学んだことによる意識の変化
家庭科を学んだことによる意識の変化について、「そう思う」、「やや思う」、「あまり思わない」、「思わない」という選択肢を設け聞いたところ、自分の生き方や考え方が変わった「そう思う」33票(3.7%)「やや思う」346票(38.4%)、家庭生活は男女がともに営むものであると考えるようになった「そう思う」364票(40.3%)「やや思う」413票(45.7%)、家族のことを考えるようになった「そう思う」218票(24.4%)「やや思う」480票(52.9%)、社会問題に関心を持つようになった「そう思う」161票(17.9%)「やや思う」478票(53.2%)、生活を科学的に見つめるようになった「そう思う」38票(4.3%)「やや思う」196票(21.7%)、子育ての意義や親の役割などへの関心が深まった「そう思う」229票(25.6%)「やや思う」452票(50.3%)、高校卒業後の進路に影響があった「そう思う」42票(4.7%)「やや思う」55票(6.0%)、生活上の課題について解決しようとする態度をもつようになった「そう思う」75票(8.3%)「やや思う」447票(49.7%)であった。