日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第53回大会・2010例会
セッションID: B4-7
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口頭発表
高等学校家庭科「介護保険制度と高齢者のQOL」の授業実践における授業評価
*水上 香苗楠木 伊津美岡崎 由佳子田中 宏実飯村 しのぶ高橋 カツ子坪田 由香子
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抄録
[目的]

 高等学校家庭科の教科目標は、生活を創造する能力と実践的な態度の育成にある。これは単に正解を問うペーパーテストでは評価できない観点を含む。われわれは2008年に共同研究として、高等学校「家庭基礎」における「高齢者の生活と福祉」学習として「介護保険制度と高齢者のQOL」と題した授業実践をおこなった。その結果を反省する過程において、実践した授業の結果をどのように評価するかの問題に至り、いわゆる「関心・意欲・態度」の評価基準としてスタンダード準拠評価に着目した。  本報告では、授業実践の最後に2時間(45分×2時間)にわたる授業の全体を振り返って、自分が理解したこと、気づいたことを生徒たちにまとめるよう指示した「ふり返りレポート」の記述内容を、スタンダード準拠評価に基づいて整理し、授業実践の評価としたのでその結果について述べる。

[方法]

 「介護保険制度と高齢者のQOL」を題材とした授業実践は、2008年8月25日から9月10日までの8日間、札幌市内の市立高等学校A校1年生6クラス(1クラス40人)を対象におこなったものであり、この結果については本学会にて、一部報告済みである。  生徒による「ふり返りレポート」は、2時間の授業の最後のまとめとして書かれたものである。全レポート数232枚について、授業実践者を含む7名の教員が、各レポートの記述内容を読み、生徒の「関心・意欲・態度」がどのようにあらわれているかの観点で評価した。

[結果]

 スタンダード準拠評価は、「できた・できない」といった二分法で授業結果を評価するのではなく、一つの教育目標に対して様々な到達レベルを設定し、評価の指標をつくり上げるものである。本研究では、「介護保険制度と高齢者のQOL」の授業実践をとおして生徒の「関心・意欲・態度」といった具体的成果が見えにくい情意面の評価をおこなった。  「関心・意欲・態度」のあらわれとしては、「高齢者(期)を肯定的に捉えている」と判断可能であり、さらに「周囲の社会問題にまで関心を広げている」とか「自分のできることは何かといった意欲が述べられている」などの要素が記述内容に確認できるものをレベルAとし、次に「自分の将来のことに限られた記述」等であるものをレベルB、さらに「第三者的な立場での関心しか述べられていない」等をレベルCとした。以上のようなレベル分けの結果を踏まえて今後の授業改善を考えていきたい。
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© 2010 日本家庭科教育学会
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