日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第56回大会・2013例会
セッションID: A3-3
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56回大会:口頭発表
家庭科教育の充実に向けた学校家庭クラブ活動のあり方
―学校家庭クラブ活動の現状と課題―
*藤原 容子永田 智子
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抄録

家庭科教育の充実に向けた学校家庭クラブ活動のあり方―学校家庭クラブ活動の現状と課題―

兵庫県立西脇高等学校 藤原容子
兵庫教育大学大学院  永田智子

[目的]平成22年学習指導要領において、「ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動を一層充実させる。」とあり、「家庭基礎」においては、3つの柱の一つに、「ホームプロジェクトと学校家庭クラブ活動」が明記されている。しかし、高等学校家庭科において「家庭基礎」2単位の実施が大半を占めるようになった現在、今まで行っていたホームプロジェクトも、時間不足からますます実施できなくなり、学校家庭クラブ活動に対しては、意識も低く全く行ったことがない教員も増えている。さまざまな研修は実施されているが、家庭科教育そのものの指導内容や家庭基礎2単位の在り方を検討する機会はない。ただ4単位の内容を2単位に収める工夫ではなく、家庭科教育そのものを見直し、その指導方法を検討しなければならないと思う。その鍵がホームプロジェクトや学校家庭クラブ活動にあると考える。そこで、本研究では、高等学校家庭科教育の充実のために、学校家庭クラブ活動をとりあげ、その現状を把握し、その課題を明らかにする。

[方法]①各都道府県の学校家庭クラブ連盟の加入状況、②兵庫県における家庭科教員10年目研修者への学校家庭クラブ活動に対するアンケート調査、③兵庫県家庭科教員の意識調査、から実施状況や認識などの現状を把握する。また、学習指導要領・解説や教科書における学校家庭クラブ活動のとり扱われ方についても分析する。

[結果]現状を把握することにより、以下の問題点が明らかになった。1)家庭科教育の充実のために発足した学校家庭クラブ連盟のあり方が問題である。加入率100%の県もあるが、全く加入していない県があることは、家庭科教育に位置づけられ全国組織として活性化させていくことは困難である。また年々加入率が低下していることから、家庭科教育のあり方として、足並みを揃えた取り組みができるように、学校家庭クラブ活動と学校家庭クラブ連盟についての共通理解を図る必要がある。2)家庭科教育における学校家庭クラブ活動の意義や目的が家庭科教員に認識されていない。家庭科教員10年の経験者であっても、学校家庭クラブ活動について十分な理解ができていない。また、兵庫県家庭科教員意識調査においても、学校家庭クラブ活動についてほとんど理解していないとする層が多い。3)学校家庭クラブ活動を実践していくための具体的な方法が理解できていない。各学校の特色ある取り組みや総合的な学習、生徒会活動やインターアクトの活動やボランティア活動など、さまざまな組織と連携し、学校家庭クラブ活動を位置づけることが難しい。また、地域連携などを考え、家庭科教育にどのように位置づけて行っていくべきか具体的な方法が分かっていない家庭科教員が多い。4)学習指導要領や教科書からでは、学校家庭クラブ活動の意義や目的、具体的な指導内容や指導方法が理解できない。今後の課題として、学校家庭クラブ活動の意義や目的を整理し、具体的指導内容や指導方法を検討の上、研修を行う必要がある。また、兵庫県の学校家庭クラブ連盟加入状況では、普通科での加入はほとんどないため、普通科で最も履修の多い「家庭基礎」2単位での学校家庭クラブ活動の実施方法についても検討の上、研修する必要がある。以上の課題解決に取り組み、主体的に家庭や地域の生活を創造する能力と実践的な態度を育む家庭科教育について、学校家庭クラブ活動を手がかりに追求していきたい。

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