日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第56回大会・2013例会
セッションID: B4-3
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56回大会:口頭発表
「体験し思考する」 家庭基礎カリキュラムの作成
*椎谷 千秋河村 美穂長 拓実望月 遥
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抄録
研究目的
 新学習指導要領の高等学校全面実施にともない、家庭基礎の学習内容についてはより一層の精選が求められている。筆者の一人が勤務する付属高等学校(以下、対象校)においても生徒の実態をふまえ、学校全体のカリキュラムに家庭基礎をどのように位置づけるのかを検討することが喫緊の課題である。 
 そこで、対象校の教育目標を踏まえ生徒の実態に則して家庭基礎のカリキュラムを検討するプロセスを明らかにすることを本研究の目的とする。これは、家庭科という教科が一高校の学習課程にどのように位置づくのかを具体的に示し、その教育的意義を検討するケーススタディである。
研究方法
 対象校に関する資料(A高校3年生への高校生活振返りアンケート、B学校の経営方針、C授業者の考える学習内容一覧、D先行研究による対象校の従来カリキュラムの特徴)を収集・整理し、それぞれ分析的に用い、共同研究者全員で議論を重ねてカリキュラム作成を行った。なおデータの収集・分析等については結果とともに示す。
結果
 関連資料の分析結果は以下のとおりである。
A高校3年生への高校生活振返りアンケート
 対象校の3年生に対して高校生活全般および家庭科の学習を振り返るアンケートを実施(2012年11月)した結果、高校生活においてもっとも思い出に残っていることは学校行事(64%)であり、やってよかったことは部活(47%)であった。また、学校のいいところとして人間愛(23%)人間関係について(38%)が挙がった。対象生徒のほとんどが学校生活を肯定的に捉えており、学習活動だけではなく様々な教育活動も含めて成長している姿が明らかになった。
B学校の経営方針
 HPに大きく示されているのは、「思いやる心を育てる」「一人ひとりの個性を生かす」「視野を広め、探究心を養う」の3点である。
 一方、同じくHP上の「校長からのメッセージ」では、「慈愛の心」「輝く知性」「世界に飛躍する力」がキーワードとして使われ、豊かな感性と広い視野を持ち、変化の激しい時代においても自ら課題を見つけ解決していく能力を育てることを目指していることがわかる。
C授業者の考える学習内容一覧
 授業者に対象校の生徒に家庭科で教えたいことについて文章化してもらい、その文章をよく読みカテゴリーを生成して分類を試みた。さらに使用中の教科書目次を参照して重点的に教えたい内容を選択してもらい先の分類に対応させて一覧にした。その結果「衣食住に関しては卒業後に必要とされる場面を考えて最低限の知識を定着させたい、特に衣食に関しては体験的な学びを重視したい、家族に関しては生きていくことを考えさせる題材として多面的にじっくり取り組ませたい」と考えていることが明らかになった。これらはすべて生徒の実態との対応関係で説明可能であった。
D先行研究による対象校の従来カリキュラムの特徴
 対象校は先行研究(千葉他2011)によれば「典型的な元女子高カリキュラムを残した共学校カリキュラムであると分析された。 
 以上の分析結果をもとに議論を繰り返し、作成するカリキュラムの最終目標はあらゆる場面での「自立」とした。さらに具体的な方法および特徴を(1)横断的な内容構成とする。(2)実習や活動を多く取り入れ体験して思考することを重視する。(3)体験と知識の習得を連動させる、とした。
 カリキュラムの詳細については発表時に説明する。

参考文献:
千葉他(2011),中高一貫校における家庭科カリキュラムに関する調査研究,日本家庭科教育学会第49回大会発表要旨集
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© 2013 日本家庭科教育学会
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