日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第57回大会・2014例会
セッションID: A2-7
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第57回大会:口頭発表
高等学校における消費者教育の実態
-大学生のアンケート調査より-
*中尾 早葵速水 多佳子
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抄録
【目的】
 平成20年版国民生活白書(内閣府)によると、「学校、地域、職場などにおいて消費者教育を受けたことがありますか。」という問いに対して、「ある」と答えた人の割合は全体の11.4%であると報告されている。消費者教育を受けたことがないと答えた人が大勢を占めており、年齢層が高くなるほど、増加している傾向がある。
 消費生活に関する内容が学習指導要領に明記され、学校教育に取り入れられたのは1989年からである。しかし、同調査では、学校での学習経験があると考えられる年代の10代後半は45.3%、20代は24.8%しか消費者教育を受けたことがあると回答していない。学校教育の中で行われている消費者教育が、その役割を果たしていないという現状が見られる。
 現在は、経済社会の高度化・多様化が進み、商品もモノからサービスへと変化し、そのため消費者を取り巻く契約、取引関係は複雑化し、情報量も増大している。消費者一人一人が豊かな生活を実現していくためには、すべての生徒が早い段階から経済行為の主体としての基礎的な消費者の知識を身に付け、責任をもって意思決定を行うことが求められており、そのためには消費者教育が必要である。そこで本研究では、大学生を対象に高等学校家庭科の学習経験と消費生活に関する知識について調査を行い、その実態を明らかにすることを目的とする。
【方法】
 2013年5月にN大学の学生84名を対象としてアンケート調査を実施した。調査内容は、「高等学校家庭科における消費生活の授業」、「消費生活に関する知識」、「将来取り入れたい授業方法」についてである。「高等学校家庭科における消費生活の授業」では、1)高等学校家庭科で消費生活について学習したか、2)どのような授業方法で学習したか、3)どの内容を学習したか、について質問した。「消費生活に関する知識」では、支払方法、契約、クーリング・オフ制度、悪質商法、消費者の権利と責任、家庭経済の6項目について正誤問題を行った。「将来取り入れたい授業方法」では、教員を目指す学生が取り入れたいと考えている授業方法について質問した。調査結果をもとに、学習経験と知識の定着について分析した。
【結果】
 高等学校における消費生活についての学習経験の有無を質問したところ、学習したと答えた者は56名(66.7%)、学習していないと答えた者は28名(33.3%)であった。消費生活について学習したと答えた56名に、消費生活の授業はどのような方法で行われたかを複数回答可で質問したところ、教科書の説明を聞いた53名(94.6%)、教科書の資料を用いた38名(67.9%)、ビデオをみた19名(33.9%)の順に多く、ディベート、ロールプレイングなどの活動を取り入れた方法は少なかった。消費生活の授業で学習した内容を質問したところ、多い順に、クーリング・オフ制度51名 (91.1%)、悪質商法50名(89.3%)、消費者の権利と責任47名(83.9%)であった。消費生活の知識に関する正誤問題については、正答率が高かったものから順に、クーリング・オフ制度78名(92.9%)、契約68名(81.0%)、家庭経済65名(77.4%)であった。将来、自分が教員になったときに、消費生活の授業でどのような授業方法を取り入れたいかを質問したところ、多い順に、教科書の資料活用65名(77.4%)、教科書の説明64名(76.2%)、トラブル対処法63名(75.0%)、ビデオ視聴56名(66.7%)、グループ討論53名(63.1%)調べ学習52名(61.9%)、ロールプレイング48名(57.1%)であり、教科書を用いるとともに、実践的・体験的な学習活動を取り入れようとしている姿勢が見られた。
 分析の詳細は口頭発表で報告する。
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© 2014 日本家庭科教育学会
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