日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第57回大会・2014例会
セッションID: B2-6
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第57回大会:口頭発表
栄養に関する概念的知識の検討
*安藤 紀子河村 美穂
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抄録
【目的】
 栄養の知識は、小学校・中学校・高等学校・大学・社会と、様々な場面で学ぶ機会があるが、その栄養の知識を実生活に活かすことが難しいという実態がある。実際に生活の中で自らの食生活について考え、より良い食生活を選択して実行するためには、栄養の知識を概念的に理解していることが大切ではないかと考える。そこで本研究では、社会人がどの程度栄養の知識があり、どのように食生活を営んでいるのかという調査を行い、知識を概念的に理解することが食生活の意識とどのように関わりがあるのかを明らかにすることを目的とする。 

【方法】
 社会人(さいたま市の(財)埼玉県産業振興公社の加盟企業12社の従業員259名)を対象として食生活の意識、栄養の知識を把握するための質問紙調査を行った。このうち、食生活の意識は、実生活の場面を想定し、そのときの意識を問うた質問33項目に対し6件法による回答を求め、因子分析(重み付けのない最小二乗法、プロマックス回転)を行って6因子を抽出した。栄養の知識は、概念的理解を問うた3問「A料理の写真を見て栄養の充足を考える問題」「B体調が悪いときに何を食べるかを考える問題」「Cメニューに不足する料理を選ぶ問題」を設定し、解答を一定の基準で得点化してはかった。なお、概念的理解を問う栄養の知識をはかる問題と比較するため、概念的理解を問わずに、理由なく一瞬で判断するような問い「Dメニューの良し悪しを判断する問題」を1問設定した。

 【結果及び考察】 
 栄養の概念的理解を問うた問題ABCは得点により、それぞれ高群・低群に分け、食生活の意識の因子との関連をみた。食生活の意識の因子は、「社会的消費者因子」・「料理因子」・「健康志向因子」・「共食・食文化因子」・「食のこだわり因子」・「身体と食事因子」である。概念的理解を問うた「A料理の写真を見て栄養の充足を考える問題」の高群は、「社会的消費者因子」・「料理因子」・「共食・食文化因子」・「身体と食事因子」の平均値が低群よりも有意に高い結果となった。「B体調が悪いときに何を食べるかを考える問題」の高群は、「料理因子」・「共食・食文化因子」・「食のこだわり因子」・「身体と食事因子」の平均値が低群よりも有意に高い結果となった。「Cメニューに不足する料理を選ぶ問題」の高群は、「共食・食文化因子」・「身体と食事因子」の平均値が低群よりも有意に高い結果となった。これらのことから、知識を概念的に理解するということは、共に食べ、食文化を大切にすることや、食へのこだわりへの意識が高く、食事から身体のことを考えること、料理をすることとの関連があると考えられる。また、知識の概念的理解を問うていない「Dメニューの良し悪しを判断する問題」は、正解・不正解の2つの群に分け、検定を行った結果、食生活の意識において両群の差は一つも認められなかった。このことから、栄養について概念的に理解することは、実生活で活かせるような栄養の知識となると言える。さらに、「Dメニューの良し悪しを判断する問題」においては、全体の約3分の1の人が生野菜のサラダやキャベツの千切りがあるだけで野菜が充足していると判断している実態が明らかになった。
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© 2014 日本家庭科教育学会
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