日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第57回大会・2014例会
セッションID: B3-4
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第57回大会:口頭発表
家庭科における教育の情報化に対応した住居領域の指導
*速水 多佳子
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抄録
【目的】
 社会の急速な情報化に伴って、私たちは日常生活のあらゆる場面で様々な情報機器を手にして活用し、便利で豊かな生活を送っている。しかしその一方で、安易に記載したことから発生した個人情報の流出、書き込みやメールでの誹謗中傷・いじめ、ショッピングサイトや無料ゲームサイトからの思いがけない代金の請求や詐欺などの情報化の影の部分も深刻な事態となっており、子どもが巻き込まれるケースも多い。情報社会に生きる私たちには、大量の情報の中から必要な情報を選び出し、情報手段を適切に活用して表現、発信する能力が求められる。
 このような中で、学校においても教育の情報化が推進されている。学習指導要領では、情報活用能力の育成が生きる力の重要な要素であるとされており、各教科等の指導の中で教科の目標を達成するとともに、情報教育を推進していく必要がある。
 情報活用の目的はよりよく生きるためであり、衣食住、家族・家庭、消費・環境など生活全般を学習対象として、よりよい生活を営む能力を育成することを目指している家庭科と共通している部分も多い。本研究は、現在求められている教育の情報化について整理し、家庭科ではどのような情報活用能力が育成できるのかを考察するとともに、指導の困難さから扱いが低調であることが指摘されている住居領域の指導の中で、教育の情報化に対応した授業実践を行い、その効果を検証することを目的とした。
【方法】
 「教育の情報化に関する手引」(文部科学省)をもとに、学校教育において推進されている教育の情報化について整理し、家庭科ではどのような情報活用能力が育成できるのか、そのためにはどのような学習活動を取り入れることができるのかをまとめた。そして、学習指導要領と教科書を参考に、住居領域で育成できると考えられる情報活用能力について整理して分析した。
 授業実践は、平成26年1月に県立I高等学校1年生2クラス79名(男子39名、女子40名)を対象に、「家庭基礎」の住生活領域でICT機器を活用した授業を2時間実施し、その効果を授業プリントから検証した。
【結果】
 生活全般を学習対象としている家庭科は、情報活用能力と深くかかわっている。分析の結果、情報教育の目標としてあげられている情報活用能力の育成のための3つの観点について、家庭科のすべての領域で学習活動を関連付けることができた。また、教科の目標を達成するためには、教員や児童生徒がICT機器を活用することが効果的である。授業実践では、教員によるICT活用(電子黒板、書画カメラ)によって、生徒の住居領域に対する興味・関心を高め、授業内容をよりわかりやすく説明することを目標として、住居領域の導入である住居の機能、生活行為と住空間、そして安全で快適な生活の中の家庭内事故を取り上げた。ICT機器を用いた授業を受けた経験について、約75%の生徒がこれまでにはなく初めてであると回答した。理解がしやすかったか、ICT機器を活用した授業を今後も希望するかについては、5段階評価で平均がそれぞれ3.67、3.65であり、授業前と比べて住生活領域に興味が持てたかについては3.91であった。授業者からもICT機器を活用することによって、これまで扱いにくかった図を提示しての説明が容易となり、生徒も意欲的に授業に参加している様子が見られたとの報告が得られた。
 また授業プリントの分析結果からも、住居に対する理解の深まりが見られた。ICT機器を効果的に活用することで、扱いにくいとされる住居領域で、生徒に住まいを身近に感じさせることができ、より理解を深めて興味をもたせることが可能であると考えられる。
 本研究はJSPS科学研究費(25350076)の助成を受けたものである。
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© 2014 日本家庭科教育学会
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