日本家庭科教育学会大会・例会・セミナー研究発表要旨集
第60回大会/2017年例会
セッションID: P14
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第60回大会:ポスター発表
「被服製作」の実践を「布を用いた物の製作」に生かす方法と課題
雑誌「家庭科教育」に掲載された教材の分析から
*西海 志織佐々木 貴子
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抄録
1.調査目的
 中学校技術・家庭科(家庭分野)の授業時数は、学習指導要領の改訂ごとに削減されている。これに伴い、被服領域の「被服製作」における指導内容は大きく変遷し、現在は「布を用いた物の製作」として簡単な教材を製作することになった。先行研究では「被服製作実習」で培われる力は意義深いものがあると指摘されていることから、これまで実践されてきた「被服製作」の内容を現行の学習指導要領において扱われている「布を用いた物の製作」に生かすためにはどうすべきかを探ることを目的とした。
2.方法
 調査対象は、雑誌「家庭科教育」(家政教育社出版)第37巻10号から第79巻3号である。学習指導要領改訂ごとに、「対象学年」、「題材(製作品)」、「製作手順」、「教具・教材」、「指導」、「評価」、「生徒の感想」、「教員の考察」の8項目について掲載内容の変遷を調査した。
3.結果と考察、今後の課題
 調査対象の雑誌「家庭科教育」に掲載された授業実践のうち、「被服製作」に関する授業実践は104件であった。学習指導要領改訂ごとの各項目の掲載件数を調査した結果、「被服製作」から、現行の学習指導要領において扱われている「布を用いた物の製作」に生かすべき事項と課題が明らかになった。
(1)「布を用いた物の製作」に生かすべき事項
① 製作の計画を生徒に立てさせることにより、生徒の主体性を育ませる。
 「製作手順」において、どの年代においても「製作計画」を指導している実践が見られた。生徒自身が、製作品の完成に向けた製作の計画を立てることにより、製作の見通しを持つことができ、主体的に製作に取り組むことができ、課題解決型学習に有効であると考える。
② 教具・教材について、生徒の学びのために念入りな準備を行い、指導に生かす。
 「教具・教材」において、「教科書・参考書」よりも「実物」や「標本」が使用されていることが明らかになった。このような「実物」や「標本」を用意することにより、生徒が主体的に考えるができ、課題解決に役立つのではないだろうか。教材を用いることにより、生徒に主体的に考えさせることができ、教員がより多くの生徒の指導にあたることができるのではないだろうか。
③ 製作において、製作品の発表の機会を充実させる。
 「指導」から、発表によって「製作の喜び」という、題材のねらいを達成できることが考えられる。授業時数が限られた中で、発表に時間をかけることは簡単ではない。しかし、一定期間教室に掲示することや、写真を撮影してレポートにまとめる課題を課すこともできる。友人同士で良いところを認め合うことで、生徒の自己肯定感にも影響すると考える。
(2)現行の「布を用いた物の製作」への課題
① 製作における評価を工夫する。
 「評価」において、授業実践の中から、教員からの評価、家族からの評価に関する記述も見られ、その評価が「製作の喜び」や「生活(仕事)に役立てる喜び」に繋がるのではないかと考えられた。このような題材のねらいを生徒に実感させるためには、評価方法を工夫する必要があると考える。
② 製作に対する考え方について、生徒の実態を把握する。
 「題材のねらい」において、年代をごとに「製作の喜び・楽しさ」に重きを置くようになってきたという傾向を読み取ることができた。この傾向が現在も続いているとすれば、生徒は製作に喜びや楽しさを感じているはずである。また、「生徒の感想」からは、困難を乗り越え、完成させた先に達成感を抱き、更なる製作の意欲を抱いていることも明らかになった。現在生徒は製作に対してどのように考えているのか、今後はその実態を明らかにしたい。
③ 製作に対する考え方について、教員の実態を把握する。
 「教員の考察」において、教員は「被服製作」に思い入れをもっていることが推察された。さらに「被服製作」について「日常生活に活きる授業」であったと感じている授業実践は、全104件中91件と多く見られる結果となった。ここで、現在「布を用いた物の製作」を実践している教員の意識について、実態を明らかにしたい。
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© 2017 日本家庭科教育学会
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