日本家政学会誌
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季節における和菓子の意匠と製法
―造形時の道具に着目して―
村上 陽子
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キーワード: 和菓子, , 季節, 意匠, 道具
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2019 年 70 巻 12 号 p. 811-822

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抄録

 本研究では, 日本の伝統的な菓子である和菓子に着目し, その製法と型の使用について, 季節と関連させて検討した. 調製方法や意匠など様々な観点から, 和菓子に関して, 文献調査を行った. 文献は1990年発行のものを用いた. 検討により, 以下の結果が得られた.

 和菓子の分類としては, 「生菓子・半生菓子・干菓子」の3つに大別されるが, 和菓子の種類の内訳をみると, 生菓子が最も多かった. また, 季節や菓子の種類によって, 用いられる型が異なっていた. 干菓子については, 打ち物が最も多かった. 菓子型の使用状況については, 菓子型を使わずに作る「手形もの」の方が, 型を使って作る「型もの」より多かった. 和菓子の意匠をみると, 植物や魚や動物などの様々な意匠によって, 季節の到来や季節感が表現されていた.

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© 2019 一般社団法人 日本家政学会
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