日本家政学会誌
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行動変容ステージモデルに応じた省エネ教育による環境問題への関心度の向上並びに省エネ行動変容効果
三神 彩子赤石 記子長尾 慶子
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2019 年 70 巻 2 号 p. 86-96

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抄録

 これまでに我々は, 省エネ教育が省エネ行動に与える影響を継続的に調査し, 学生の意識が「省エネ教育」前後に大きく変化すること, CO2排出量に大きな削減効果があることを確認してきた. しかし, 「省エネ教育」は対象とした省エネ行動項目の全体のレベルの底上げにつながるものの, 教育後にも行動変容が起こらない層が一定数残り, 特に省エネ行動項目の中で実践度が低い項目に関しては, 意識が変わるだけでは行動に結びつかない項目が多く, 各人のレベルに応じた省エネ教育が必要であることが示唆された.

 そこで, 本研究では, これらを総合的に鑑みた結果, 「行動変容ステージモデル」が省エネ行動変容にも適用できる可能性があると考え, 行動変容ステージモデルに応じた省エネに関する教育内容を盛り込むことでどの程度変化するのかを確認することとした.

 結果, 教育前に環境問題への関心がない状態で省エネ教育を行っても省エネ行動の実践度が向上しないことを確認するとともに, 行動変容ステージモデルを活用し, ステージを的確にとらえ介入策を設計することで省エネ行動変容を促すことが示唆された.

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© 2019 一般社団法人 日本家政学会
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