日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
Print ISSN : 0913-5227
ISSN-L : 0913-5227
ノート
カロリーアンサーを利用した配食弁当および宅配弁当の栄養量の検討
色川 木綿子工藤 美奈子城田 直子峯木 眞知子
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 71 巻 7 号 p. 456-463

詳細
抄録

 配食サービスを利用している方の栄養量の把握は, 弁当に提示されている栄養量を基に行われる. そこで, 配食弁当と宅配弁当の実態を調査し, 栄養量の妥当性を栄養価計算およびカロリーアンサー (以下, CA) を用いて検討した. モデル献立を用いて, CAによる測定方法も考査した.

 CAの栄養量を配食弁当は施設献立栄養量と, 宅配弁当は表示値と比較すると, 特にたんぱく質や食塩相当量で誤差が大きかった. モデル献立のCA値, 計算値から求めた栄養量は, エネルギーおよび炭水化物では, 分析値との一致度が高かった. 脂質のCA値は分析値に比べて高い値であった. CA測定では, 誤差を小さくするためには料理ごとの専用モードを用いることがすすめられる.

 CAは栄養量簡易測定器として, 特にエネルギー量の測定において利便性は高い. しかし, 栄養教育において使用する場合は, 献立内容によって留意点を考慮して使用することが必要である. これらを留意することで, 栄養量表示にも使用できると考えられた.

著者関連情報
© 2020 一般社団法人 日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top