日本家政学会誌
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コロナ禍における地域子育て支援センターの役割:保護者の相談内容から
岡本 千晴岡田 みゆき
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2022 年 73 巻 5 号 p. 255-261

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抄録

 本研究では, 地域子育て支援センターを利用する保護者からの相談の変化をまとめ, コロナ禍における地域子育て支援センターのあり方について検討することを目的とした. そのため, 2020年4月~2021年8月までの子育て支援センターPで行った活動内容及び利用者の相談業務を対象に, 相談記録と業務日誌を分析した. その結果, 3つの段階にまとめることができた. 第1期は「コロナ不安期」で, 子どもが新型コロナウイルスに感染することへの恐怖や不安を相談する保護者が多かった. 第2期は「子どもの変化期」で, 人見知り, 場所見知り, 睡眠, 食事, 言葉などについての子どもの発達に関する相談が多かった. 第3期は「気持ちの転換期」で, 長引くコロナ禍の生活による疲労感や孤独感, 諦めなどの感情から自分でなんとかしようとポジティブな考えに変える保護者が数多く見られた. 子育て支援センターとしては, 保護者の悩みに対する電話相談, 家庭で親子が一緒に遊べるプログラムの動画配信, 地域の遊び場の情報提供などが求められた.

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© 2022 一般社団法人 日本家政学会
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