日本家政学会誌
Online ISSN : 1882-0352
Print ISSN : 0913-5227
ISSN-L : 0913-5227
ノート
循環型社会に向けた家庭ごみ削減に関する教育の可能性
笹岡 恵梨三神 彩子赤石 記子木村 康代長尾 慶子
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 76 巻 4 号 p. 153-161

詳細
抄録

 わが国におけるごみ排出量は年々減少しているが, 最終処分場の残余容量及び最終処分場の数も減少しており, 依然厳しい状況にある. 家庭ごみの削減は, 埋立地不足の問題に加え, 食品ロスやマイクロプラスチック問題, ひいてはCO2排出量削減に向けても重要な課題であり, 生活者一人ひとりの意識や行動変容が重要である. そこで本調査では, 家庭ごみ削減に焦点を当て, 生活者意識や実態を洗い出すとともに, 家庭ごみ削減の可能性を, ナッジ等の行動科学の知見を活用したワークを用いて実験的に検討することとした.

 家庭ごみ排出の現状とごみ削減の可能性を検討するため, 東京家政大学の2年生70名 (有効数) を対象に, 1週目は普段通りに生活しごみの計量を行った, 次に, ごみ削減に向けたワークを2週に分けて行い, ごみ削減を意識した生活によるごみの計量を行った. 併せてアンケート調査を実施した.

 実測調査から, 家庭ごみの約29%の削減を確認した. 内訳をみると, 可燃ごみ (生ごみ除く) は約33%, 生ごみは約15%, 紙類は約31%, プラスチック類は約25%減少した. アンケート調査から, ごみ分別の行動改善だけでなく, ごみを出さない意識・実践率の向上が見られた. さらに, コストや便利さよりもごみ削減や環境を優先する意識の高まりも認められた. 教育を通じてごみ削減を意識し, 実践することで, 家庭ごみ削減の余地があることが示唆された.

著者関連情報
© 2025 一般社団法人 日本家政学会
次の記事
feedback
Top