家政学雑誌
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味覚感度の調査研究
女子大学生の味覚の感度 (第1報)
板橋 文代吉川 誠次
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1968 年 19 巻 5 号 p. 333-336

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抄録
味覚の感度は個人差があり、官能検査のパネルを構成したり、調理科学の学習指導上にも、これを知ることが有益であろうと考えられる。
われわれはLangwill女史の考案した呈味炉紙片を用いる方法を応用して、基本的呈味物質について、女子大学生300名について感度を調査した。
調査結果を要約すれば次のごとくである。
1) 被験者の平均の感度は米国における調査結果とほぼ近似した値73.2%の正答率をしめした。この正答率は東京都の学童について行なった調査に比べると、甘味については感度が高く、苦味についてはやや、低く、その他については同程度であった。
2) 学級別の正答率については、学級別に正答率をくらべると、無味・甘味・酸味・うま味については高年令の学級が低年令よりもやや高い傾向がみられた。しかしこれらの差は、たまたまその学級に個人的に感度の高い学生が集中したためとも考えられるので、一般的な結論とするには更に調査を重ねてみなければならない。
誤答の内容及び個人別の味覚感度の経時的変動については、今後に研究し、検討する。
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