家政学雑誌
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食品の触感とうまみとの関係についての基礎的研究
坂口 りつ子松元 文子
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1969 年 20 巻 1 号 p. 24-28

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抄録
1. 本実験は、ゲル原料の種類をかえ、この触感と添加した化学調味料のうまみとの関係を官能検査によって検討し、また、菓子類に添加されている化学調味料の効果について調べたものである。
2. 食品の触感とうまみとの関係は、本実験の範囲内において、一般に口ざわりのやわらかいものにうまみを強く感じた。
3. 甘味食品への化学調味料の添加は、その甘味度は増す傾向があるが、おいしさと甘さのバランスからみて、本実験範囲内では、余り効果的ではなかった。しかし複雑にまるく感ずる甘みからくるおいしさを、特にドロップ様糖菓においてみとめたので、糖菓類・チョコレート類にすでに化学調味料が添加されているという意味がうかがえた。
4. 実験2に示したように、官能検査と甘味食品に対する嗜好程度との関連はみとめられず、むしろ試料の口ざわりの変化におけるうまみの嗜好の個人差が強いと考えられる。
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