家政学雑誌
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農家同居老人の家族親和度について (第1報)
稲作地帯の場合
岡村 益横山 シヅ
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1977 年 28 巻 2 号 p. 151-156

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抄録
以上の結果からこの地区の老人の日常生活における家族親和度が高い場合の条件を要約すると, 男女ともにいえることは (1) 配偶率が高いこと, (2) 不安感のないことの2点である.
老人の不安感の根底をなすものは経済と健康にともなう問題である.これを言いかえれば, 経済的基盤が安定している家庭は老人扶養能力もあり, また健康で家族員の介護を必要としない老人である場合は, 家族においても受容され親和度も高められるのであろう.
親和度に関連なしと認められた事項は男女ともに経営参加別である.経営に参加して役に立つことが老人の地位の安定や心理的安定, ひいては親和度にも影響するであろうという予想とは異なる結果であった.家族親和度を与える性別および加齢の影響については, 本調査ではあきらかになし得なかった.なお第2報では生産条件の異なる山村畑作地帯の場合をとりあげて比較考察したい.
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