家政学雑誌
Online ISSN : 1884-7870
Print ISSN : 0449-9069
ISSN-L : 0449-9069
うるち米ともち米の脂質の脂肪酸組成
佐藤 洋子緒方 順子中沢 文子野口 駿
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 28 巻 6 号 p. 403-407

詳細
抄録

うるち米およびもち米の脂質の脂肪酸組成を分析し, 次の結果を得た.
1) うるち米の脂質の脂肪酸は, 35~42%のオレイン酸, 34~42%のリノール酸, 15~22%のパルミチン酸, 1~2%のリノレン酸および1~2%のステアリン酸であり, これら5種の脂肪酸が全脂肪酸組成の95%以上を占める.もち米についてもほぼ同様の結果を得たが, うるち米に比べてパルミチン酸含量がやや多い.
2) パターン分析の結果, うるち米の産出地域によってその脂肪酸組成には明瞭な差が認められ, 硬質米産出地帯といわれる地域でとれた米は軟質米産出地帯といわれる地域の米に比べてリノール酸含量が多く, オレイン酸含量が少ないごとが明らかとなった.また, もち米の分布はかなりの部分でうるち硬質米産出地帯米と重なり, 稲という一つの種の特徴が少量成分である脂質の脂肪酸組成にも現われることが示された.

著者関連情報
© 社団法人日本家政学会
前の記事 次の記事
feedback
Top