抄録
各加熱温度のルーを用い, 牛乳混合後の白ソースの加熱過程の性状について流動特性を中心に検討を行い, さらに白ソースの冷却過程の流動特性についても測定を行った.同心二重円筒型ロトビスコ回転粘度計を用い, 各ソースの流動履歴曲線, 応カ-時間曲線を得た結果,
1) 粘度計のローターおよび測定頭の相違による差が, 白ソースの剛性率測定に影響を与えるため, 補正式を導いた.
2) 剛性率, 降伏応力ともに, どの加熱温度のル一を用いても白ソースの最終仕上げ温度が80℃, 90℃, 97 ℃と上昇するにつれ, 増大した.
3) どの白ソースも降伏応力をもつ塑性流動であり, 粘稠性定数Kおよび流動性指数nが得られ, Kについては最終仕上げ温度の上昇にともない増大した.
4) チキソトロピー特性値は最終仕上げ温度80℃までは認められないが, 90℃, 97℃と上昇するにつれ増加した.
5) 白ソースは60℃~20℃へ冷却することにより剛性率, 降伏応力はともに増大した.
6) 白ソースの流動のみかけの活性化エネルギーを求めたところ, 4.52kcal/molであった.