抄録
カスタードクリームの加熱調製法別に, 各種の培地を用いて生菌数をしらべ細菌学的検討を加えた結果,
1) 調製直後のクリーム中の生菌数は, 食品衛生学的にみて許容の範囲であるが, 20℃, 24時間保存では菌の増殖はいちじるしく, 低温保存の必要を認めた.
2) ブドウ球菌増殖実験では, 加熱による阻止効果がきわめて大きいことが認められ, 加熱の方法も密接に関係し, 直火A法の加熱効果が最も顕著であった.
3) 電子レンジを用いての再加熱処理では, 30秒通電後攪拌し, さらに30秒通電・攪拌することでその殺菌効果はいちじるしくなり, 食品衛生学的にも, 嗜好的にもすぐれていることが認められた.