抄録
1) アズキのタンパク質を抽出する際のpH, 食塩濃度, イオンの種類などの抽出率に対する影響を検討した.
2) アズキのグロブリンを食塩抽出で分離し硫安分画によってαグロブリンとβグロブリンを調製した.
3) アミノ酸組成は両グロブリンの間でかなりの相異があり, とくにシスチン, トリプトファン, スレオニンはαグロブリンに多く, グルタミン酸, フェニルアラニンはβグロブリンに多く含まれている.
4) βグロブリンがアズキグロブリンの主成分であり, これはさらに複数の構成タンパク質からなっていることを, N末端アミノ基の分析および食塩に対する溶解性の検討から推定した.