家政学雑誌
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低温発酵パンについて (第3報)
糖添加の影響
唐沢 恵子武田 紀久子
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1980 年 31 巻 1 号 p. 13-18

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抄録
低温発酵法によって良質のパンを得る条件を糖添加量の面より検討する目的で, 発酵試験・製パン試験を行い次の結果を得た.
1) 発酵試験において1次発酵段階では糖添加増の影響は認められなかったが, 2次発酵段階では高温部 (15℃, 10℃) で糖添加効果は大であった.
2) 製パン試験では糖5%添加によって15℃~5℃ の範囲で品質の良いパンのできる時間帯の延長が認められたが, 10%添加では発酵阻害が認められた.2℃の場合は糖添加増の必要はなかった.
3) 糖添加量を増加した場合, 低温・短時間発酵条件では甘味の残存があり好ましくなかった.
4) 以上の結果より低温発酵法では糖は約5%添加することが望ましいと考えられる.
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