家政学雑誌
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低温性大腸菌群の乳糖分解について
角野 猛小暮 八穂子
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1980 年 31 巻 1 号 p. 59-63

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抄録
土壌より分離した低温性大腸菌群について, 乳糖ブイヨンにおける乳糖分解性およびカルボン酸分析計によるブドウ糖からの各種有機酸の生成を, 培養温度別に検討し次の知見を得た.
1) 供試菌18株の乳糖分解温度範囲は, 40℃~5℃ のものが2株, 37℃~5℃が8株, 30℃~5℃が18株であった.
2) 供試菌株のブドウ糖からの生成物は, 乳酸, 酢酸ピルビン酸, ギ酸, コハク酸であり共通性があった.3) E. coli II 型とC.freundii I型の有機酸生成のクロマトグラムのパターンは, 乳酸, 酢酸のピークが大きく特徴的であり, 両者は類似性があった.
4) K. aerogenes I 型とIrregular 型の有機酸生成のクロマトグラムのパターンは, 乳酸, ギ酸のピークが大きく特徴的であり, 両者は類似性があった.
5) 中温性の大腸菌群の各菌型のクロマトグラムのパターンと, 上述の低温性のE. coli II型, C.freundii I型およびK. aerogenes I型のクロマトグラムのパターンはよく類似しており, 両者は本質的に同一なものと考えられた.
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