家政学雑誌
Online ISSN : 1884-7870
Print ISSN : 0449-9069
ISSN-L : 0449-9069
切干し大根の褐変に及ぼす加工と貯蔵の影響
河野 昭子
著者情報
ジャーナル フリー

1981 年 32 巻 8 号 p. 577-580

詳細
抄録

切干し大根の保存中の着色について検討するため, 関連物質の分析をおこなった結果, 着色度は, 温度に比例して進み, 蒸したものは, 蒸さないものに比べて低く, 光の影響は, 蒸さないものだけにみられ, 光のあるほうが高くなった.メイラード反応に関与する物質のうち, 還元糖量, 遊離窒素量は, 保存中, 大きな変化を示さず, HMF量は, 着色度に対応して増加し, 3-DG量は, 着色試料に, かなりの量の存在を認めた.ポリフェノール量も, 着色度に対応して増加した.以上より, 切干し大根保存中の着色は, メイラード反応, ポリフェノール類の酸化のいずれにも由来するもので, その程度は, 保存室温, 光, 蒸し処理に影響されることを認めた.

著者関連情報
© 社団法人日本家政学会
次の記事
feedback
Top