1982 年 33 巻 5 号 p. 228-234
1) 米は浸水操作を行うことにより米粒内に水が浸透し, デンプン粒を膨潤させ, 米粒をやわらかくする.
2) 米粒の顕微鏡結果には, 浸水時間の経過に伴う組織の膨潤が観察された.
3) 浸水操作を行った後に加熱すると, 加熱に伴う米粒中への吸水は多くなり, かたさの減少, α化度の増加もいちだんと進み, 浸水操作を行わずに加熱した試料よりも速く飯の状態になることが観察された.加熱時間が短い場合には浸水操作の有無の影響が大きくあらわれるものと思われる.
4) 本実験の加熱条件では, 官能的はどの浸水時間の飯も一様に好まれた.