家政学雑誌
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ローリエ臭成分の同定と経時的変化
香辛料添加鶏骨スープの加熱臭について (第1報)
河村 フジ子河村 としみ加藤 和子松本 睦子小林 彰夫
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1983 年 34 巻 7 号 p. 387-391

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抄録

ローリエ加熱臭の同定を行い, ローリエ添加鶏骨スープのローリエ臭の経時的変化について検討した結果を要約すると次のようになる.
1) ローリエ臭として, α-ピネン, β-ピネン, サビネン, ミルセン, α-フェランドレン, リモネン, 1, 8-シネオール, ρ-シメン, リナロール, テルピネン-4-オール, α-テルピネオール, メチルオイゲノール, オイゲノール, エレミシンの14種をGC, GC-MS, 文献により同定した.
2) ローリエ臭の経時的変化は, 1, 8-シネオール, リナロール, サビネン, α-テルピネオールの減少が顕著で, 98℃以上60分以内にその大部分が蒸発し, その後はオイゲノールが主成分となる.
3) 官能検査の結果, ローリエ臭は, 鶏骨スープ臭を抑制して好まれる.ローリエ臭の強さは, 95±1℃で60分加熱の時点が最も強く, 60分以内の短時間加熱のものがスープとして好まれる.

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