抄録
Micrococcus lutus(IFO 3333)のアラニン脱水素酵素(EC 1.4.1.1.)の活性化の条件について検討した.
アラニン脱水素酵素の活性は, 培地中にアラニンを添加することにより著しく上昇した. D-アラニンも有効であった. D-スレオニン, L-セリンも多少の効果があった.
L-ノルバリン, L-フェニルアラニン, L-ヒスチジン, L-システイン, D-グルタミン酸, グルコース, グリセロールの添加は, 活性を低下させた.
培養時間を変えて, M.luteusを培養したとき, L-アラニンを添加した培地では培養の初期に著しい酵素活性の上昇が認められた.
L-アラニンの濃度を変えて菌体を培養したときは, アラニン濃度0.01%ですでに酵素活性の上昇がみられた.
アラニンによる酵素の活性化は, ニコチン酸を含む酵母抽出物成分やNAD+およびその類似物質によって妨げられた.